Tara’s box cafe

モータースポーツを中心に、自分なりの解説を試みるブログです。

フライアウェイ4戦を終えて見えてきた勢力図とは(後編)

こんばんは。taraです。

今回はフライアウェイ4戦を終えての振り返りの後編です。

前編はこちらからご覧ください。

boxcafe.hatenablog.com

今回は5~10位のチームを振り返っていきます。

 

 (※表の数字は開幕戦からの順位を表しています。FLはファステストラップ、Rはリタイヤを表します)

レーシングポイント(17 points)

セルジオ・ペレス 13-10-8-6 13 points

ランス・ストロール 9-14-12-9 4 points

 

名称をフォースインディアからレーシングポイントへと変更し、ストロールが新たに加入して迎えた新シーズン。ペレスは得意のアゼルバイジャンで6位入賞と、しっかりチャンスを結果へと結びつける勝負強さを見せました。中団グループでは巡ってきたチャンスを上位入賞に結びつけられるかによってランキングに大きく影響するので、ペレスのようなドライバーは心強いでしょう。

その点ではストロールにも共通しているところはあるのではないでしょうか。ウィリアムズ時代にはアゼルバイジャンで自身初の表彰台を経験するなど、荒れたレースでしっかりと結果を残してくる印象のあるドライバーです。(同い年なので陰ながら応援してます)

フォースインディア時代からそうですが、ストレートスピードに重きを置いた高速サーキット向きの直線番長マシンというスタンスは一種の戦い方として確立されているように感じますし、そのような戦い方をするチームがあるのも面白いなと感じます。見ている人へのインパクトも強いですし、今後もこのようなスタンスのチームがいてほしいなと感じます。

 

アルファロメオ(13 points)

キミ・ライコネン 8-7-9-10 13 points

アントニオ・ジョビナッツィ 15-11-15-12 0 points

 

ライコネンはさすがともいうべき安定感で連続入賞を果たしています。今年の中団グループは例年に増して混戦ということもあり、彼の実力がポイントに結びついているということもあるでしょう。現役最年長、39歳の大ベテランですがいまだに健在です。契約通りなら来年にはバリチェロが持つ最多出走記録の323を更新することになります。

一方でジョビナッツィはここまでノーポイントと、波に乗れないシーズンを送っています。久々のイタリア人ドライバーということで母国の期待は大きいようですし、何とか浮上のきっかけをつかんでほしいものです。

シーズンオフにザウバーから名称を変更したアルファロメオ。まだフェラーリの姉妹チームのようなイメージはありますが、名称変更にはアルファロメオの気合も感じられます。ライコネンを獲得したというのも彼のフィードバックをチームの成長に役立てたいという側面もあるでしょう。ヨーロッパラウンドに期待です。

 

ルノー(12 points)

ダニエル・リカルド R-R-7-R 6 points

ニコ・ヒュルケンベルグ 7-R-R-14 6 points

 

去年はコンスト4位とベストオブザレストを確保し、オフにはレッドブルからリカルドを獲得してさらなる上位進出をうかがっていたルノーでしたが、パワー最優先の開発のためか信頼性を欠きリタイヤ連発。バーレーンでの2台リタイヤが流れを悪くしてしまった印象があります。入賞したレースはリカルド、ヒュルケンベルグ共に7位なので、車さえかみ合えばトップ3の下に来られるくらいのポテンシャルはあるのかもしれませんが、いかんせんレッドブルへの供給をやめたために開発に苦しんでいるイメージは拭えません。ワークスチームながらカスタマーのマクラーレンにも先行を許しています。

発言がたびたび話題になるチーム代表のアビテブールにとっても後がなくなりつつある状況。逆風を跳ね返し、ワークスの意地を見せることができるでしょうか。

 

ハース(8 points)

ケビン・マグヌッセン 6-13-13-13 8 points

ロマン・グロージャン R-R-11-R 0 points

 

去年は躍進の一年となったハースでしたが、今年は開幕戦にマグヌッセンが獲得した8ポイントのみで開幕4戦を終えました。本家フェラーリの苦戦に呼応しているような印象です。タイヤの仕様変更にも苦しんでおり、なかなかうまく機能させられないレースもありました。

ドライバーは相変わらずの暴れん坊2人ですが、今年はまだおとなしめでしょうか?たびたび問題になる彼らですが、速さは確実に持っているドライバーたちだと思いますので、その辺りはシュタイナー親分にうまく治めていただきましょう。

 余談ですが、ハースのチーフエンジニアである小松礼雄さんの著書が面白かったのでまだ読んでいない方はぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

 

エンジニアが明かすF1の世界

エンジニアが明かすF1の世界

 

 

トロロッソ(4 points)

アレクサンダー・アルボン 14-9-10-11 3 points

ダニール・クビアト 10-12-R-R 1 point

 

ホンダとのジョイント2年目になり、ドライバーラインナップを一新したトロロッソ。今年は1年ぶりに帰ってきたクビアトと、直前でフォーミュラeを蹴ってF1にやってきたアルボンのコンビです。マシンは姉妹チームであるレッドブルのコンセプトを踏襲し、ポテンシャルは高いものに伺えますが、いまいち結果に結びつかないフライアウェイになりました。しかし中国ではアルボンがピットスタートから入賞を果たすなど、うまくかみ合えばいいところに来そうな雰囲気はあります。クビアトもレッドブルへの再挑戦に向かってギラギラしているでしょうし、ドライバー面は期待できるラインナップでしょう。あとは、去年からの課題であるチームのオペレーションさえ改善されれば、さらにチームとしてレベルアップできるでしょう。

 

ウィリアムズ(0 points)

ジョージ・ラッセル 16-15-16-15 0 points

ロバート・クビサ 17-16-17-16 0 points

 

去年からの苦しい流れを断ち切ることができず、テストでも出遅れてしまったウィリアムズ。今年はメルセデスの期待の若手であるラッセルと、2010年シーズン以来8年ぶりにF1のレギュラーシートに帰ってきたクビサのコンビですが、ドライバーの力だけではどうすることもできず、ポイント争いにすら遠く及ばない苦しい日々が続いています。

90年代の黄金期では唯一の弱点であったピット作業はむしろ唯一の強みともいうべき点に変化しました。1.92秒という世界最速ピットストップ記録を持つウィリアムズのクルーたちのためにも、マシンの改善による競争力の向上を切に願います。

中国GPからは黄金期の立役者の1人であったパトリック・ヘッドが現場に復帰。レジェンドの存在は起爆剤になるでしょうか。私個人としてもかつての名門がテールエンダーというのは辛いものがあるのでなんとか上位浮上のきっかけをつかんでほしいものです。

 

 

 

更新が遅れてしまいました。申し訳ございません。この記事を書いているのはカナダGPの直前なのですが、アゼルバイジャンまでの4戦を振り返ってみると割とスペイン、モナコで状況が変わったようにも思います。特に中団グループは毎レース勢力図が目まぐるしく変わるので、評価が難しいと改めて痛感しております。評価が二転三転するかもしれませんが、高性能回転式手首を搭載して積極的に手のひらをクルクルさせていこうと思います。

スペイン、モナコの振り返りも追って更新予定です。

それでは!