フライアウェイ4戦を終えて見えてきた勢力図とは(前編)
こんばんは。taraです。
今回はオーストラリアからアゼルバイジャンまでの開幕4戦のフライアウェイラウンドを終えての各チームの状況などを見ていきたいと思います。
【ポイントランキング】F1第4戦アゼルバイジャンGP終了時点
アゼルバイジャンGPまで終えてのドライバー、コンストラクターランキングは上記のページの通りになっています。
今回はこのコンストラクターランキングの順位に沿って各チームのこれまでの戦いを振り返っていきたいと思います。
1チームずつ書いていくとかなり長くなると思いますので前後半に分けようと思います。(後編はこちらから→後編リンク)
今回は1~4位のチームです。
(※表の数字は開幕戦からの順位を表しています。FLはファステストラップ、Rはリタイヤを表します。)
メルセデス(173 points)
バルテリ・ボッタス 1(FL)-2-2-1 87 points
ルイス・ハミルトン 2-1-1-2 86 points
2014年に現行のPUのレギュレーションになって以来5連覇中のメルセデスですが、ここ数年で最も理想的なスタートダッシュを切ったといえるのではないでしょうか。ライバルチームのフェラーリやレッドブルが不振に喘ぐ印象が強い今シーズン、メルセデスの安定感がさらに際立っています。今年もチャンピオン争いの大本命と見るべきでしょう。
ただ唯一の不安要素があるとすれば、今年はチームメイト同士のバトルが過去2年よりも激化しているということではないでしょうか。ハミルトンの安定感は言わずもがなですが、もう一方のボッタスのパフォーマンスも今年は目を見張るものがあります。お互いにチャンピオンがかかっている状況ならばハミロズ時代のようにチームメイト同士の確執も生まれてしまう可能性は十分にあると思われます。この辺りはチームのマネジメント力も求められる場面も出てくるかもしれません。移籍3年目にしてようやくワールドチャンピオンへの挑戦権を得たボッタスに対して、経験豊富な5度の世界王者ハミルトンはどのように挑戦者を退けていくヨーロッパラウンドになるでしょうか。
フェラーリ(99 points)
セバスチャン・ベッテル 4-5-3-3 52 points
シャルル・ルクレール 5-3(FL)-5-5(FL) 47 points
冬のバルセロナテストでは絶好調だったフェラーリですが、完全にスタートダッシュに失敗し、開幕4戦でメルセデスに大きく水をあけられることになりました。マシンがうまくハマればバーレーンのような速さを発揮することができるのかもしれませんが、現時点ではマシンもドライバーもパフォーマンスにムラが大きいように感じます。今年のマシン「SF90」はPUやシャシーに問題があるというような報道がされています。真偽は定かではありませんがフェラーリのスタッフがニコ・ロズベルグに「シャシーのダウンフォースが足りていない」と話したという記事も出ていたり、
ロズベルグ、F1中国GPにおけるフェラーリのパフォーマンス不足は「空力が原因」と説明
(ただチームの内情を外部の人間にあっさり明かすとは考えにくいので真相は定かではありません)
もしくは後編で触れますがフェラーリPUを載せている他チームも苦戦が続いているということもあったりと、PUも少し苦しいのかもしれません。
そして現時点ではベッテルとルクレールのジョイントナンバーワンのような体制が仇となっている印象は否めません。鳴り物入りでフェラーリへ移籍したルクレールもベッテルを上回るシーンはあるものの、絶対的な序列を覆すほどの圧倒的な速さは見せられていないというのが現状です。とはいえまだまだ2年目の若いドライバーですから、これから経験を積んでいけば次世代のチャンピオン候補であることは確かでしょう。
開幕からチームオーダー発動など、チームのマネジメントにも課題を抱えたままフライアウェイを終えたフェラーリ。フラストレーションの溜まっているティフォシたちに初勝利をプレゼントするのはいつになるでしょうか。
レッドブル(64 points)
マックス・フェルスタッペン 3-4-4-4 51 points
ピエール・ガスリー 11-8-6(FL)-R 13 points
PUをルノーからホンダへとスイッチしたレッドブルですが、昨年の終盤に見せたほどの速さが見られていないというのがここまでのところです。レッドブルといえば非力なPUを優秀なシャシーで補っているというイメージがこれまではありましたが、今年のシャシーはそこまでアドバンテージを得られるようなものではなさそうです。加えてリアが不安定なマシンにチームもドライバーも苦しんでいるように見えます。
フェルスタッペンは開幕戦のポディウムを皮切りに4戦連続入賞と安定したパフォーマンスを見せていますが、ガスリーはバルセロナテストから悪い流れを引きずったままシーズンの序盤を終えることになりました。とはいえ中国ではファステストラップを獲得し6位、アゼルバイジャンではリタイヤに終わったもののピットスタートから安定したペースで着実に順位を上げるなど、段々と本来の実力を見せ始めているのではないでしょうか。
特筆されるべきは、昨季序盤の不調ぶりからは考えられないようなフェルスタッペンの安定した走りでしょう。21歳の若さながら既にエースの風格を漂わせるようなレース運びを見せ、不安定なマシンをうまく走らせている印象を受けました。
スペインで大きなアップデートが投入されるという噂のRB15。アゼルバイジャンで投入されたホンダのスペック2のPUと合わせて、メルセデス、フェラーリを脅かすようなパフォーマンスを期待したいところです。
マクラーレン(18 points)
ランド・ノリス 12-6-R-8 12 points
カルロス・サインツJr R-R-14-7 6 points
昨季終盤の大不振から一転して、ベストオブザレストに躍り出てきたのはマクラーレン。特にルーキーのノリスが輝かしいパフォーマンスを見せています。バーレーンでは6位に入るなど、ベストルーキーも狙えるような勢いです。(余談ですがノリスのSNSが結構面白いのでぜひチェックしてみて)一方ではサインツも速さは見せているものの、トラブルや接触等で結果に結びつかないレースが多かったような印象を受けます。流れこそ悪いものの、実力のあるドライバーですしヨーロッパラウンド以降もしぶとくポイントを拾っていくのではないでしょうか。
昨年はシーズンが進むにつれてパフォーマンスが低下していった印象のあるマクラーレン。今年はどうなるでしょうか。「口は禍の元」にならないことを願うばかりです。