F1スラングを学ぼう
こんばんは。taraです。
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。(遅すぎ)
更新が途絶えておりましたが、面白そうなネタを見つけたので久しぶりに書こうかと思います。
発端はDAZN、J SPORTSなどのレース実況でもおなじみのサッシャさんのこのツイート。
英語ですが… #F1 で使われるレース用語を説明した記事。勉強になります!グーグル翻訳などを使って読んでみるのもアリかもしれません! #f1jp @F1 #f1dazn @DAZN_JPN https://t.co/Wu3RRsOsGt
— サッシャ Sascha (@sascha348) 2020年2月10日
記事はこちらです↓
ご存知かもしれませんがF1で使われるスラングは辞書に書いてある意味から離れているものも多く、意味を理解しづらいところもあります。公式がこうやって用語を解説してくれるのは新規ファンの方にとってはありがたいと思いますし、すでに知っているという方も理解を深めるのに役立つのではないかと思います。
自分は現在大学で英語を専攻しているのですが、そもそも英語に興味を持ったきっかけというのがF1との出会いで、「チームラジオ聴き取ってみたい!」とか「インタビューの内容を理解したい!」というところから出発しました。かなり独特な理由なのは自負しているのですが、それが大きな英語学習のモチベーションになっていたというのも事実なので、もし英語を勉強するやる気が出ないという方は好きなことと関連付けてみると勉強を進めやすいかもしれませんね。
そんなわけで今回は、F1公式が挙げた18個のスラングを訳してみたいと思います。(意訳、誤訳等あるかもしれませんがその時は訂正していただけると幸いです)
公式ページの順に沿って進めるので、照らし合わせながら見ていただければと思います。
1.アンダーカット(undercut)
意味:前車を抜きあぐねているときに先にピットインし、新しいタイヤでペースを上げることによって前車がピットインしたときに逆転を試みるという戦略。
例文:“He’s going to try to use the undercut to get ahead”
(彼は前に出るためにアンダーカットを試みるだろう)
これと間違えないように:ツーブロックの髪型(アメリカではツーブロックのヘアスタイルをundercutと呼ぶようです)
2.マーブル(marbles)
意味:コーナリング中のタイヤから剥がれた小さなラバーのこと。レコードラインの外に溜まる。レース中に踏んでしまうと、タイヤと路面の接地に悪影響を及ぼし、それによりグリップを低下させる。しかしレース終了後にマーブルを踏むのはむしろ有効な戦略であり、のちの重量計測で違反にならないために利用されることもある。
例文:“I got onto the marbles in the hairpin, went a bit wide and got the tyres dirty”
(ヘアピンでマーブルに乗ってしまったことで膨らんでしまいタイヤを汚した)
これと間違えないように:ビー玉(marblesは本来ビー玉という意味を持ちます)
3.ダーティエアー、クリーンエアー(dirty air/clean air)
意味:ダーティエアーとは、前の車が起こす空気の渦によってダウンフォースが減少し車の空力性能が落ちること(乱気流という意味を表すタービュランスという言葉もセットで用いられることがある)。クリーンエアーとは前を走る車がいないことで理想的な空力で走れる状態のことを言う。
例文: “I tried to get past but I was stuck in his dirty air. But once he pitted and I got some clean air, I could start to put in some decent laps”
(彼をオーバーテイクしようとしたが、彼のダーティエアーにはまってしまった。しかし彼がピットに入ってからはクリーンエアーを得たので、それから数週はいいペースで走れるようになった)
これと間違えないように:大気汚染問題
4.ボトミング(bottoming)
意味:簡潔に言うなら、車体の下部が路面に触れているときのことを言う。スパのオールージュ→ラディオンをはじめとした路面のバンプや上り坂、坂の頂上などで起きることが多い。2015年以降、マシンの底面にはチタンのスキッドブロックが使われるようになり、ボトミングの際には火花が見られるようになった。
例文: “The car had a good balance, although on my qualifying lap, it was bottoming and I lost some time”
(車のバランスはよかったけど、アタックラップ中にボトミングを起こしてタイムをロスしてしまったね)
これと間違えないように:お尻を意味するスラングのbottom(自信なし)
(原文:Anything involving the gluteus maximus.)
5.ブリスター、グレイニング(blistering/graining)
意味:ブリスターとは、高温になったカーカス(タイヤの内部)と低温のままのサーフェイス(タイヤの外部)の温度差がタイヤの中で気泡を生んでしまい、結果的にグリップが低下してしまう状態のことを言う。グレイニングとはその逆の状態で、カーカスの温度が低くサーフェイスの温度が高くなっていることを言う。(ブリスターやグレイニングはタイヤに黒い筋が入ることから中継映像で確認できることも多い)
例文: “We were struggling a little more than Ferrari with the tyre blistering”/ "I had a lot of graining on my tyres because we went out on the soft in very cold conditions and they lost temperature”
(我々はフェラーリよりも少しタイヤのブリスターに苦戦したね/ タイヤのグレイニングがひどかったね。温度が低かったからソフトタイヤをうまく作動させられなかったよ)
これと間違えないように:水ぶくれのときに履く靴下(?)/(謎)
(原文:Something that requires a verruca sock in the case of blistering, or something to do with trees in the case of graining.)
6.outperforming the car
意味:ドライバーの実力がマシンの限界を突破した時に用いられる。近年ではフェルナンド・アロンソや、1984年、モナコGPで当時トールマンのアイルトン・セナが見せたパフォーマンス、2008年イタリアGPで当時トロロッソのセバスチャン・ベッテルが見せたパフォーマンスなどが挙げられる。
例文: “Fernando Alonso outperformed his car to qualify third”
(フェルナンド・アロンソはマシンの実力以上のものを引き出し予選3番手を獲得した)
これと間違えないように:F1マシンよりも速く走ること。不可能です。
7.バックマーカー(backmarker)
意味:周回遅れの車のこと。ごくまれにトップのドライバーを撃墜することがある。
例文:“That backmarker blocked me and completely ruined my race”
(あのバックマーカーに邪魔されたからレースは台無しだよ)
これと間違えないように:背中にタトゥーを入れた人
8.ポールシッター(polesitter)
意味:予選で1位を取ったドライバーのこと
例文:“Polesitter Lewis Hamilton got away cleanly to hold the lead into the first corner”
(ポールシッターのルイス・ハミルトンがリードを保って1コーナーへと飛び込んでいきます)
これと間違えないように:中世の拷問の形式
9.タイヤの崖(falling off the cliff)
意味:タイヤの供給メーカーがピレリになった2011年シーズン以降よく耳にするようになった言葉。タイヤのグリップ力が急激に低下し、ペースが落ちてしまうことを言う。
例文:“In the second stint my tyres fell off a cliff and I was forced to pit earlier than planned”
(セカンドスティントではタイヤの崖が来てしまい、予定よりも早くピットに入ることを余儀なくされた)
これと間違えないように:(謎)
(原文:Anything to do with lemmings.)
(追記:レミングという動物が集団で崖から落ちるという伝説があるそうで、そこから由来しているようです。twitterで教えていただいた方、ありがとうございました!)
10.フラットスポット(flatspot)
意味:フロントタイヤをロックさせると回転が止まったままコースに沿って進むため、その部分が平らに摩耗してしまう状態。車の振動にもつながってしまう。
例文:“Unfortunately I had to pit after I got a flatspot, which took away any chance I had of getting on the podium”
(不運にもピットストップの後にフラットスポットができてしまい、ポディウムのチャンスを逃してしまったよ)
これと間違えないように:顔の傷(自信なし)
(原文:An unsightly facial blemish.)
11.リフトアンドコースト(lift and coast)
意味:レース終盤で燃料が足りない時、エンジニアからドライバーに「リフトアンドコーストしてくれ」という指示が飛ぶことがある。ストレートエンドなどでスロットルを戻し、惰性で走ることによって燃費を稼ごうというものである。当然ながらペースは落ちてしまう。
例文:“I had to lift and coast if I wanted to save fuel and make it to the end”
(燃料をゴールまで持たせるためにリフトアンドコーストしなければいけなかったよ)
これと間違えないように:海岸のエレベーター
12.ブレーキバイアス(brake bias)
意味:ドライバーのフィーリングや路面の状況によって前輪と後輪のブレーキの利き具合を調整できるシステム。例えばウェットの路面の場合、フロントタイヤのロックを避けるためにブレーキバイアスをリアに寄せることが多い。ほかにも、燃料の変化やタイヤの摩耗度合いによってもブレーキバイアスを変えることもある。オンボード映像でもステアリングのモニターにブレーキバイアスが表示されているのを確認できる。
例文:“I had to move the brake bias during the race to deal with the tricky conditions”
(レース中は難しいコンディションに対処するためにブレーキバイアスを動かす必要があったね)
これと間違えないように:APよりもブレンボのブレーキを好むドライバー(biasには傾向などの意味があります)
13.DRS
意味:2011年から導入されたシステムで、リアウィングのフラップを開けることでストレートスピードを向上しオーバーテイクを促進するデバイス。たまに開きっぱなしになるトラブルも見られる。
例文:Lewis was quite close so he got DRS down the straight”
(ルイスは前の車に接近していたのでストレートでDRSを使った)
これと間違えないように:クリケットの判定レビューシステム(サッカーで言うVARみたいなものなんですかね?)
14.パワーユニット(power unit)
意味:2014年ごろからよく使われるようになった言葉で、それまでのエンジンとほぼ同義で用いられる。ICE,TC,MGU-H,MGU-K,ES,CEの6つのパーツから構成され、従来の働きに加えて電気を活用するハイブリッド化が進んだ。ピークパワーは1000馬力に達するとの噂も。
例文:“The Mexico Grand Prix runs at high altitude, which puts a lot of strain on the power unit”
(メキシコGPの開催地は標高が高く、パワーユニットには高い負荷がかかる)
これと間違えないように:ワット
15.ボックス(box)
意味:「ボックス」という言葉がドライバーに指示された場合、それはピットストップを行うというサイン。ちなみに語源はドイツ語でpitstopを意味するBoxenstoppらしい。
例文:“Okay Lewis, so box this lap, box, box”
(ルイス、ピットに入ってくれ。ボックスだ)
これと間違えないように:誰かの頭を殴ること(ボクシングの語源はこれだと思われます)
16.グリーントラック(green track)
意味:金曜日のフリー走行1回目では路面にゴミや砂ぼこりが落ちていることも多く、グリップに苦しむチームやドライバーもよく見られる。F1以外にもレースを開催するサーキットではあまりないが、市街地コースやあまりレースを開催しないサーキットではこのような傾向がある。走り込んでタイヤのラバーがレコードラインに乗ることをラバーオンなどと表現する。
例文:“The track was a bit green this morning, but it seemed to rubber in as the day went on”
(今朝はまだ路面が汚れているが、セッションが進むにつれてラバーが乗るようになるだろう)
これと間違えないように:いくつかのマリオカートのコース
17.(tankslapper)
調べたのですがいまいち理解できませんでした…
知識不足で申し訳ありません
18.オーバーステア、アンダーステア(oversteer/understeer)
意味:オーバーステアはコーナリング中にリアタイヤのグリップが不足している状態。アンダーステアはこの反対でフロントタイヤのグリップが不足している状態。ドライバーが操作しているステアリングの舵角よりも車が曲がっていない状態のことを言う。偉大なラリードライバーであるヴァルター・ロールの言葉を借りて言い換えると、「壁に向かってドライブしていればアンダーステア、当たっていたらオーバーステアだ」。
例文:“The car was oversteering in some corners and understeering in others”
(この車はいくつかのコーナーでオーバーステアで、残りのコーナーではアンダーステアだよ)
これと間違えないように:牛に乗るときの新たなアプローチ
一通りやってみて思いましたが、知識不足、英語力不足を痛感させられました…
「ここはこういう意味なんじゃ?」というような意見がありましたらコメント欄によろしくお願いします!